計画プロセス概要

前回同様、プロセスの整理をしていきましょう。

  • 計画プロセス
    • バランスを考慮したプロジェクトスコープの詳細化
    • 作業のリストアップ
    • 作業の順序付け
    • スケジューリングと予算
    • 利害関係者からの承認の獲得

上から順に追っていきます。

計画プロセスでは

  • プロジェクト全体のスコープを確定する
  • 定義した目標をより具体的にする
  • プロジェクトの一連の流れを計画する

ことが重要となります。


アジェンダ

この記事では以下の流れで説明します。

  • プロジェクトスコープの詳細化
  • 作業のリストアップ
  • 作業の順序付け
  • QCDの目標設定
  • スケジューリングと予算の割当
  • 計画書の作成
  • まとめ

ゴールとしては以下のことを設定しています。

  • バランスを意識した目標設定を理解する
  • 計画書を的確に作成できるようになる
  • 計画書以外のマネジメント文書にも理解を深める
  • タスク分解を理解する
  • タスクの重み付けを理解する
  • スケジューリングを理解する

プロジェクトスコープの詳細化

プロジェクトスコープとは

  • ゴールはなにか?
  • 成果物(リザルトスコープ)はなにか?
  • どのような作業(タスク)があるのか?
  • 方式はなにを採用するのか?
  • 費用対効果の分析はなにか?

といったざっくりとした概要を定めるものです。
いわゆる基本設計の点ですね。

ゴールの選定は前述したとおりBig-Whyで深堀りしましょう。
方式も同様ですね。

で、ここではなにが重要なのかって話ですが。
2点ほどありまして、
1点目が「なにをするのか」「なにをしないのか」
というのをしっかり決めていくことです。

よくあるのがすることだけが記載されていて、
しないことを記載されていないというパターン。

自分の中で「これはしないやろ」と思っていても
顧客はそう思っていないかもしれません。
思い込みというのは大変キケンな行為です。
十人十色、考え方は様々なのです。
することよりもしないことをむしろ明確に書く人もいます。
例えばパソコンは食べてはいけませんとか、
犬や猫は前前前世を歌わないとか、
なるべく細かく書きましょう。
(常識の範囲で)

2店目の重要なポイントはどのような作業(タスク)があるのか?です。
次のセクションでお話しましょう。


作業(タスク)のリストアップ

このセクションではプロジェクト全体で必要な 作業(タスク)を
リストアップしていく術について学びます。

例えば「モンエナ丼」について説明しましょう。
モンエナ丼とは丼に白米をよそってお茶漬けの要領で
満遍なくモンスターエナジーをかけて食す究極完全食です。
ではモンエナ丼を食すためにはどんなタスクがあるのでしょうか?

  • モンエナ丼を食す
    • モンエナ丼を作る
      • ごはんをよそう
      • モンエナをかける
    • 箸またはスプーンを用意する
      • お米の銘柄によって選定
    • 美味しそうに笑顔でかきこむ
      • 全身でモンエナを味わう

このようなタスクがあることがわかりますね?
このようにタスクを細かく分解して列挙する手法を
WBS(Work Breakdown Structure)と呼びます。
仕事を分解した構造体という意味です。

このWBSを図にする場合は組織図のように上から下へ、
上に対してどのような作業があるかを下へ、
といったようにしていくのがコツです。


作業(タスク)の順序付け

続いて作業(タスク)の順序付けについて学びます。
いわゆる重み付けと呼ばれるやつです。
これには基準が必要で様々な観点から考察されます。

  • 時間
  • 成果物の進捗度合い
  • ページなど定量的に測れるもの
  • 過去の実績
  • 重要度
  • 難易度
  • 影響範囲
  • 即効性
  • 人数
  • 工数
  • 頻度

などなど。

計画工数も単純平均と加重平均に分かれます。

  • 単純平均
    • (進捗率+進捗率+進捗率)/ノード数の和
  • 加重平均
    • (進捗率^係数^+進捗率^係数^+進捗率^係数^)/係数の和
    • 係数(%)=計画工数/合計計画工数*100

まぁむずかしいわぁ。
この2つは似て非なるものですので、
計画工数をしっかり学びたい方は重点的に学びましょう。

わかりやすいのはこれらにたいし点数を与えること。

要求時間難易度重要度工数金額
彼女にプレゼントを送る33521
彼女をデートに誘う13511
彼女と同じ時間を過ごす11555

上記はぼくの彼女からの要求です。
それぞれを重み付けした結果です。
数値をすべてかけてみましょう。

  • 彼女にプレゼントを送る
    • 3×3×5×2×1=90
  • 彼女をデートに誘う
    • 1×3×5×1×1=15
  • 彼女と同じ時間を過ごす
    • 1×1×5×5×5=125

数値として重いのは125、
「彼女と同じ時間を過ごす」です。
このように数値に表すのは効果的です。
(そうでない場合もあるのでケースバイケース)
つまりは重み付けの根拠を考えるというのが重要なのです。


QCDの目標設定

はてさて、QCDとはなんじゃらほい。

  • Q
    • Quality
    • 品質
  • C
    • Cost
    • コスト
  • D
    • Delivery
    • 納期

これらの頭文字をとって「QCD」と呼びます。
細かく見ていきましょう。

品質管理について
品質管理はどこまで品質を追求するか、
どこで妥協をするのかのライン引きをするのかを決めます。
あまりにも品質にこだわりすぎるといくつか問題が発生します。
例えば大きく分けてこの2つの問題が発生すると言われています。

  • 予算超過による赤字
  • 納期超過による延期

予算内、期限内に収めるためには”妥協”が必要と言われています。
が、個人的にはこれは妥協ではないと考えています。
これは”最適化”だと考えています。

本当に必要なものなのか、費用な修正なのか。
完璧を目指すとまずゴールは見えません。
安定した、ゴールを見据えたものでなければなりません。
これらを意識し、重み付けをした後に目標を設定しましょう。

必要な機能を必要なだけ。
こだわるとは無駄をなくしメリハリをつけるということです。

コストについて
コストと聞くと費用であったり価格であったり。
そういったお金の面でのイメージが強いですね。
が、しかし、これはお金の面以外でも存在します。
当然お金の面も存在しますが。

  • どの程度の重み付けで工数を決めるのか
  • 予算をどこまで割くのか

この点を意識しないとコストのことを意識したとは言えません。

一つのタスクに対して工数が肥大していくと、
すべての工数を圧迫するのと同じです。
電車でデブが横に座るとその列の座席すべてが圧迫されるのと同じです。
適切な工数を組んでいくことでプロジェクトとして成立するのです。
また、必要な機能を必要な工数/価格で。

予算に関しても同じことが言えますね。
少しでも圧迫することを避けなければなりません。
が、過度に削減すると品質に影響を及ぼします。
品質管理とはコスト管理と表裏一体なわけです。

納期について
納期についていうと頭を抱えて悶える人がでてきますね。

そ の 気 持 ち す っ ご い わ か る

はてさて、納期とはいかなるものなのか。
それは適切なタイミングで適切なものを納品するということ。
品質とコストを意識したうえで最適なゴールを目指すのです。

  • 納期=ゴールの期限であることを意識すべき
  • 決められた納期は裏付があって設定されたことを意識せよ

これらを意識することは納期を意識することに繋がります。
また、納期に間に合わないと判断する能力がPMにはとても重要です。

メンバーに残業をさせたり、無理なタスクを与えるのはいけません。
それは単純にPMとしてのセンスに直結します。
アクセルだけでなく、ブレーキやバック、右左折をする。
舵取りをするのが重要な点なのです。

QCDのまとめ
ここまでQCDを簡単に学びましたがそれらをもっと端的にいいましょう。
牛丼の吉野家のキャッチコピーがまさにそれ。
「はやい、やすい、うまい」
これがQCD。

  • Qは「うまい」
  • Cは「やすい」
  • Dは「はやい」

ね、わかりやすいでしょう?

QCDの発展形について
QCDには発展形として+αという考え方があります。

  • QCD+S
  • QCD+M
  • QCD+E
  • QCD+F
  • QCD+P
  • QCD+D
  • QCD+T
  • QCD+I

S、M、E、F、P、D、Iについて解説しましょう。

  • Safety
  • Service
  • Speed
  • Sales
  • Moral
  • Maintenance
  • Environment
  • Flexibility
  • Product
  • Develop
  • Design
  • Delivery
  • Time
  • Inventory

このように、QCDだけでなく様々な要素が必要とされます。
が、基本はQCD。
QCDをベースに、付加価値として他の要素を加えていくのです。

最近ではプロジェクト自体が複雑になりつつありますし、
シンプルだけだとよろしくないことが多々あります。
そういったときに基盤となるQCDを固めておくことで、
+αの真価が発揮されるというわけです。


スケジューリングと予算の割当

みなさんスケジュールくらい組んだことあるでしょう。
スケジュール帳に予定を書いたことくらいあるでしょう。

なぁに、プロジェクトにおけるスケジューリングとは

ず ば り

タ ロ ッ ト 占 い で あ る

とても難しい(小並感)
いやまじで。
石原良純の天気予報並に当たらない。

スケジューリングに関する代表的な問題をまず見ていきましょう。

  • 資源制約付きPJスケジューリング問題(RCPSP)
    • フローショップ問題(FSP)
      • 同じ順序の作業で効率よく納期遅れ短縮を考える問題
    • ジョブショップ問題(JSP)
      • 仕事の順序を入れ替えられる場合のフローショップ問題
    • オープンショップ問題(OSP)
      • 作業の順序が確定していない場合のフローショップ問題
    • リスケジューリング問題
      • 条件を変更し再度スケジュールを組み直す問題
  • 重み付き制約充足問題(WCSP)
    • 重要な順に制約をなるべくクリアするための問題
  • 制約充足問題(CSP)
    • 全ての制約をクリアするための問題

気になる問題があればぜひ解いてみましょう。
けっこう頭を使います。

プロジェクトにおけるスケジューリングで言えば、
PERT法とCPM法が有名です。

  • PERT
    • 必要な作業に対し先行関係や所要時間を考慮する
  • CPM
    • PERT法に費用の概念を取り入れたもの

PERT法ではクリティカルパスを用いるのが一般的です。
クリティカルパスとは???
クリティカルパスとは下記のことを考慮したものです。

  • 最早開始時間(ES)
  • 最遅完了時刻(LF)
  • 余裕時間
    • 全余裕時間(TF)
    • 自由余裕時間(FF)
    • 干渉余裕時間(IF)

まぁカンタンに言うと、
待ち時間とか考えてどの順序で作業すれば
作業時間が1番短いか当てようクイズです。

が、これだとガバガバすぎるので大抵はCPMを選ぶでしょう。
費用対効果とかガバガバすぎると意味がない。

以下の問題を説いてみてください。
A地点からB地点まで移動することにします。
途中経路は砂漠、森林、海、山があります。
どの移動手段が費用対効果が高いでしょう?

  • ランボルギーニなどのスーパーカー
  • 歩き&水泳
  • ママチャリ
  • 自家用ジェット

これが費用対効果というものです。
早すぎても予算以上であれば意味がないのです。
予算内に重み付けしながら達成すべきです。
重み付き制約充足問題は良い例です。

これらを踏まえて作成するのがガントチャートです。
ガントチャートは横棒グラフの1つで、
目標期間と進捗状況を視覚的に表した図のことです。
作成にはRedmine、Backlog、Wrikeなどが使用されたりします。
他にも様々な専用ソフトウェアがありますので、
excelでちまちまやることはオススメしません。


計画書の作成

プロジェクトマネジメントにおける文書には
いくつかの種類があることを知っておきましょう。

  • プロジェクトマネジメント計画書
    • 補助計画書
    • ベースライン
    • その他
  • プロジェクト文書
    • 計画書以外の文書

まず計画書には何を記載すべきなのかをリストアップしましょう。

  • ライフサイクルについて
  • テーラリング(プロセスなど)
  • 開発方針、開発方式
  • スコープ
  • タスクの概要と詳細
  • QCDと重み付け
  • スケジュール
  • レビューのタイミングと回数

その他もろもろ、細かいところもありますが。
大きくわけてこんなもんでしょう。
もちっと詳細を。

プロジェクトマネジメント計画書

  • 補助計画書
  • ベースライン
  • その他

補助計画書について
プロジェクトマネジメント計画書の中でも特に細かいところ、
補助計画書についてまとめましょうか。

  • コスト・マネジメント計画書
    • コスト管理について
  • 人的資源計画書
    • 人的資源の確保と管理について
  • プロセス改善計画書
    • プロセスをどう管理し改善する場合はその方法について
  • 調達マネジメント計画書
    • 契約方法や資格試験取得について
  • 品質マネジメント計画書
    • 品質管理について
  • 要求事項マネジメント計画書
    • 要求に対しての活動や計画、報告について
  • リスク・マネジメント計画書
    • リスク管理について
  • スケジュール・マネジメント計画書
    • スケジューリングについて
  • スコープ・マネジメント計画書
    • スコープ管理について
  • 変更マネジメント計画書
    • 変更の取り扱いについて
  • コミュニケーション・マネジメント計画書
    • だれがいつどんな情報を必要とし伝達するかについて

ベースラインについて
お次がベースラインについて。

  • コスト・パフォーマンス・ベースライン
    • 費用対効果について
  • スケジュール・ベースライン
    • スケジュールの進捗を管理するためのベースラインについて
  • スコープ・ベースライン
    • スコープ管理のためのベースラインについて

その他についてはコンフィグレーションマネジメント計画書などが含まれます。

プロジェクト文書について

  • 各種ログ
  • 契約書
  • 予測分析
  • ステークホルダーのリスト
  • 役割の設定
  • 責任のとり方など
  • 実績報告書
  • 評価
  • チェックリスト
  • パフォーマンスなど測定結果

こっちはかなり雑に紹介しますが、
要するに裏付けや確認項目などの文書についてです。

かなり細かいですがプロジェクトマネジメント、
文書としての管理は細ければ細かいほどよいです。
というのも粗さがしではないですが文書にすることで
足りてないものや不適切なものをブラッシュアップするためには最適です。


まとめ

この計画プロセスに関しては基本的に文書作成など
デスクワークがメインのプロセスになってきます。

といってもプロジェクトの命運をわける、
非常に重要なポイントです。
だいたい炎上するプロジェクトはここが雑。

ここをどれだけ丁寧に、正確に、的確にできるか
それがプロジェクトマネージャーの素質に直結します。

ものすごいまじめに書いてしまった…


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *